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Sunday September 13 2015 category:

八墓村

金田一シリーズ中、これだけなぜか表紙が違う。


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調べてみたら、2014年のカドフェス(角川文庫の夏フェア)の時に変わったままっぽい。
 →2014カドフェス 下のほうのミステリー&サスペンスのところ

うちの近所の本屋さんでも新しい表紙のままだったので、しばらくこのままなのかな。
耕助がちょっと精悍すぎな気がしますが、かっこいいですね(*'v')
描いたかたがイメージされたかどうかはわからないですが、石坂浩二さんの耕助っぽい感じ。
それにしても腕が細い!
確かに耕助はガリガリのイメージですけれども(笑)

私が持ってるのは『墓』(八じゃダメだったのか)のほうです。

kindle版だといまだに杉本一文のイラストで、なかなかおどろおどろしい。
小梅(小竹?)さまの首が…甲冑より怖いよ。

さらに怖いのは角川文庫初版版のイラストですよね。
持てない…これ手に持って読めとか言われたら、カバーかけたうえでハンカチかなんかでくるまないと無理(;´・ω・)



八墓村は、いきなり津山事件をモチーフとした32人殺しから始まるのが衝撃的です。
(その前に落ち武者伝説もありますけど)
いやいや、いくら分限者(ぶげんしゃ/金持ちの意 だそうです)でも、妻帯者が独身のお嬢さんを攫ってきて土蔵に閉じ込めて凌辱の限りを尽くした挙句、泣き寝入り状態で妾ってありえないだろ!とか、現代人の感覚で突っ込んでしまいますが、32人殺しのあたりからもうどっぷりと横溝世界に浸ってそんな感想も出てこなくなるぐらい、物語に引き込まれていきます。
横溝作品って、あとから思い返すと「え?」ってなるぐらい設定が日常からかけ離れて(時代もかけ離れてますけど)ぶっ飛んでるんですが、読んでいる途中では「これしかありえない」ってくらいリアリティがあるのですよね。
登場人物設定の妙や、また、絶対にその性格(生い立ち)ならこういう言動しかないだろうという無理のなさ、それを書ききる筆力の高さが相まってだろうといつも思うのですが…
ほんと横溝先生はすごいや…


八墓村にも、濃い人たちがいっぱい出てきます。
もう女怪の域に達してる小梅様、小竹様の双子、美しく現代的な美也子さん、弱弱しくも芯は強い春代さん、天真爛漫な典子ちゃん、気がふれているとしか思えない濃茶の尼(みんな女性だ)

個人的には春代さん一択。
ああいう報われないひとに弱いんです。
幸せになってほしかった…

鍾乳洞の冒険譚がジュブナイルみたいで楽しい。
や、追いかけてくる人物たちが人物なんで、話的には陰惨なんですけど(;'∀')


あと長年、長持から出入りって『え~?どうなってんの?』って思ってたんですが、長持って、思ったよりでかかった!
名古屋城に展示してあったのを見たら、『あ、これなら出入りできそう…』ってぐらい大きかった。
(松山城に関するサイトですが、これが一番大きさがわかりやすいかと→長持)
確かに布団が入る(笑)
多分、私が想像してたのは行李だったんだなー…


防御率の悪い探偵金田一シリーズらしく、どんどんいっぱい人が死んでいくんですが、それもまた耕助の人間臭い感じがして好きです。

超人的天才探偵ももちろん大好物ですけど(。-∀-)ニヒ♪



八つ墓村 (角川文庫)

八つ墓村 (角川文庫)

  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 1971/04/26
  • メディア: 文庫
金田一耕助ファイル1 八つ墓村<金田一耕助ファイル> (角川文庫)

金田一耕助ファイル1 八つ墓村<金田一耕助ファイル> (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2001/10/12
  • メディア: Kindle版


タグ:Ringo Books Mystery

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