Thursday February 18 2016 category:本
古代ギリシャのリアル
最近寝る前はもっぱらこればかり読んでいます。
もう7~8回は読み返したと思います。
帯に
古代ギリシャではなぜ…
血液を「緑色」と表現するのか
「海」という単語がなかったのか
最高神ゼウスが「浮気性」なのか
とありますが、基本的に古代ギリシャの神々の紹介本です。
(もちろん、上記の『なぜ?』の答えも載っています)
ゼウス・ヘラ・ポセイドン・アポロン・アテナ・アフロディテ・アレスなど、ギリシャの神々の名前や何をつかさどるのかをなんとなく聞いたことがあっても詳しく知らないなー…という方にも、多少知ってますという方にもおすすめの1冊です。
まず、この本は物語の本ではありません。
(エピソードとして若干言及されてはいますが)
古代ギリシャの神々って、なんていうか非常に個性的で興味深いから知って!という感じの本です。
属性は○○で、こんなエピソードがあって、意外と××な面もあります…みたいなカタログ。
文章は軽妙で読みやすく、分量も多すぎず少なすぎず…と飽きさせない工夫もあって、読むたびに『すごいなー、おもしろいわー』と感心しております。
個人的にいちばん好きなギリシャの神さまってアレスなんですが、どうにも何を読んでも情報が少ないのですよね…(´・ω・`)
アフロディテとの情事の話(というか間男の話)と、トロイア戦争に絡んだ話ぐらい。
さみしい…(´・ω・`)
そもそも現存するテキストに出てこない(しゃべらない)らしいので、どうしようもない感じなんでしょうけれども。
アレス好きって、圧倒的少数派なんだろうな…切ない(笑)
呉茂一先生の著書では今ひとつわからなくてもやもやしていた部分が、藤村シシンさんの明快な文章で「あっ、こういうこと!」って腑に落ちるの楽しいです。
今回は神々の巻だったので、次(きっと出版されると信じてる)は英雄についてだったらいいなあ。
前○年ごろにはこういうことがありましたじゃなく(もちろんあってもうれしいんだけど)、この年代・この地域のこういう出来事がこういう感じで反映されてるとかね、そんな感じのよみものが読みたいです。(わがまま)
あっ、古代ギリシャ歳時記みたいなのも楽しそうだなー!
このお祭りはこういう風に進められるとかね、生け贄はこれこれ、祝詞的なものはこんな感じとか…
うん、<正式な儀式の手続き>すごく面白かった!
ここ読みながら毎回思うのは、アレスがチョイスされてお願い事をされることってあったんだろうか…?
なんか圧倒的になさそうな気がします…
戦さ関係を祈るならアテナ女神だよね…多分。
そうだ、今回取り上げられなかったちょっとマイナーな神々の本というのもいいなー!
ヘーリオスとかムーサイとかエリスとかネメシスとかニーケーとか知りたいわ。
しかし、どんなテーマだろうと、本当に次の本があるなら絶対入手します。
日本語でこれだけわかりやすい古代ギリシャの本、そうそうないですもんね!
もう本当に好きすぎてたまらん…
それからカラーの口絵が数ページついてるといいと思います。
今回極彩色イメージ図?が、帯に小さく載っているだけなのが残念だったなー。
軽妙洒脱、読みやすいのに知識量豊富、という稀有な本です。
書店で見かけましたら是非おもしろそうなところを読んでみてください。
私のおすすめは224ページの<正式な儀式の手続き>!これです!!
あとは推し神さまのページを見るのも楽しいかも。
アレスのページだけならもう何十回も読んだ!(笑)
おしまい
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