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Thursday January 12 2017 category:

金田一耕助シリーズ 数冊


悪魔の降誕祭 (角川文庫)

悪魔の降誕祭 (角川文庫)

  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/08/25
  • メディア: 文庫


金田一耕助シリーズのタイトルは『悪魔の○○』が多くて、記憶力に乏しい私は本屋へ行く子供に「本、買ってきて」と頼むときに、あれ?なんてタイトルの本を頼もうと思ってたんだっけ??という状態によくなります。
実際、間違えて持ってる本を頼んでしまいました。
うちには『悪魔の手毬唄』が2冊…なんでこんな有名どころを間違えたのか私。
(おどろおどろしい杉本一文氏表紙画の文庫も持っていた(主に母が)ので、どれを持っていて持っていないのか混乱するのが…というか、結局私の記憶力のなさが原因か…)
『悪魔の降誕祭』を頼んだつもりだったんです(;´・ω・)
馬鹿すぎる。
その後、自分で買ってきました。

これは短編集で、表題作は耕助の自宅(アパートの一室)が殺人現場となってしまいます。
依頼者(予定)をみすみす殺人者の手にかけさせてしまった…という耕助の後悔から始まります。
『悪魔の降誕祭』ってなだけあって、犯人は確かに悪魔的なんですけれども、犯人像に今ひとつ深みがないのが残念かなー。
これ長編だったら、もっと悪魔的な○○になったんだろうと思うと読んでみたかった。

続いて『女怪』(にょかいで変換できないとか)。
非常に珍しい耕助の恋愛が出てくる短編です。
『獄門島』みたいにだんだん女に惹かれていくパターンかと思ったら、しょっぱなから耕助はマダムにいかれていた(笑)
そして、もっと恋情にじたばたするのかと思いきや、なんというか微妙な距離感…
がんばれよ!耕助、もっと足掻けよ!とか、読みながら脳内が修造氏になってしまいましたよ。
まあ、そういう感じの話でした(笑)

最後は『霧の山荘』。
あっけない…
うーん、軽い小品?といった趣きというか…
しかし、オチがなかなかえぐいです。
当時はあんな感じだったの?本当に?




首 (角川文庫)

首 (角川文庫)

  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 1976/10/29
  • メディア: 文庫


これも短編集で、収録作は『生ける死仮面』『花園の悪魔』『蝋美人』『首』の4篇。
『生ける死仮面』はいきなり雨月物語の青頭巾から始まるという、うわあ…という感じのオープニング。
銀蠅こわいよ…
このままどろどろとした人間関係が…と思いつつ読んでいくと、意外とそうでもない。
短編じゃ描ききれないよね…
白眉は、吉祥寺や三鷹あたりがこの時代ではまだ田舎で、だんだんと(というか一気にというか)開けていった様子のちょっとした描写です(個人的に)。
へええ…あんな建物がいっぱい建ってるところが(去年の夏に行ってきた)、戦後ぐらいまでは畑が広がってたの?東京って、けっこう田舎も残ってたんだな…というのがおもしろかったです。

『花園の悪魔』と『蝋美人』は事件が二転三転するところがおもしろい。
なんという小並感…

『首』は、これは長編になったらさぞや…という感じの話でした。
私の脳内では、お幾さんは岸恵子さんでした(*'v`)


しかし、短編っておもしろいものも多いんだけど(おもしろくないのもある)、語ろうとすると自然犯人像まで及んでしまうのが…
探偵小説だし、犯人ばらすのよくないよねえ…(´・ω・`)




殺人鬼 (角川文庫)

殺人鬼 (角川文庫)

  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2006/11/25
  • メディア: 文庫


これも短編集。
収録作は『殺人鬼』『黒蘭姫』『香水心中』『百日紅の下にて』の4篇。
この短編集の収録作はどれも好き。
『殺人鬼』は、まあずるい感じではあるんですけど(笑)
そういえば、語り手の推理小説家の八代さん、『夜歩く』の主人公もやしろさんではなかったかしら?
あ、字が違うのか、屋代さんね。
同じ人物だったらおもしろいけど…ないか(笑)

『黒蘭姫』は、黒蘭姫の正体が…あっけなくて…好き。
憎悪ってそういうものだよね。
そして、これは銀座の三角ビル時代の話で、耕助の部屋も三角形だというのがわかって満足でした(笑)

『百日紅~』は、生真面目な感じの耕助が印象的。
このあと獄門島へ行くのですけど、百日紅の舞台は東京。
復員して東京へ行って、それから瀬戸内海方向へ行ったの?
復員船って、九州に着くんじゃないの?違うの?回り道過ぎない?
と調べてみたら、関東(横浜とか)に着く船もあったみたい。
耕助はどこに着いたんだろうね?などとも思ったんだけど、まあどうでもイイネ!


年末年始に読んでいた金田一耕助シリーズでした。
次はkindleで、紙媒体では絶版になってる本でも読もうかなーと考えております。
真珠郎とか蔵の中とかね!
絶版になってる本も手に入るとか、いい時代だなー。
(絶版にならないのが一番なんですけども)


タグ:Ringo Books Mystery

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