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Wednesday January 03 2018 category:

薔薇の血潮

あけましておめでとうございます
今年はもういっそすがすがしいくらいに、だらだらとしたお正月を過ごしました!
(矛盾…)
お雑煮を作っただけという(*'▽`)
わぁなんて楽なんだ…!!

あとはごろごろゲーム三昧…
こんなんでいいのか…(いいのです)


そのほか、本も読んでいました
いつ買ったのかすっかり忘れていた(たぶん一昨年…)文庫をを発掘したので、年末から1週間ぐらいかけて読破ー
タニス・リー 『薔薇の血潮』上下

薔薇の血潮 上 (創元推理文庫)

薔薇の血潮 上 (創元推理文庫)

  • 作者: タニス・リー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/07/20
  • メディア: 文庫

薔薇の血潮 下 (創元推理文庫)

薔薇の血潮 下 (創元推理文庫)

  • 作者: タニス・リー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/07/20
  • メディア: 文庫


これもう品切・絶版なのか…
買っておいてよかった
新品だと1冊1200円したんですよ…文庫の値段じゃないわー(昭和的な感想)

以下多少の感想


タニス・リーは『銀色の恋人』が好きすぎて、ほかのイメージがあんまりないんですが、よく考えたら遠い昔に『闇の公子』とか『死の王』とか読んでました…
が、なんというか、多分私の好みじゃなかったんだと思うんですけど、印象に残ってないんです
暗いファンタジーだったような…?ぐらいな(ひどい語彙力)

当時も今もあんまり変わってないんですけど、個人的に「物語」には、人物の成長だったり、関係性だったり、歴史だったり、そういうものを期待してしまうのです
そういうお話が大好きなのです
ファンタジーの大作『指輪物語』にはこの要素が全部詰まってますよね…
(めちゃくちゃ大好きな物語です)
しかし、同じファンタジージャンルの物語ですが、『薔薇の血潮』はそういった感じの話じゃないのです
読みつつ、「え、これいったい誰の視点で読むといいの?(困惑)」といった感じで、ずっと遠いところで展開しているお芝居を見ているような入り込めなさ・疎外感を感じていました


『薔薇の血潮』は中世ヨーロッパによく似た世界の話です
主人公のひとり、塔の跡継ぎメカイルは吸血蛾に襲われ、左肩に損傷を負います
このことが「世継ぎ」としての彼の人生に暗い影を落としていて…
という感じで始まるのですけど、ここでメカイルに何かしらの感情移入をしたり(しなかったり)して読んでいくと、いきなりメカイルは死んじゃうのです
え…ちょっと…待って…どういうこと?とか思っているうちに生き返るんですが、森の中へ人狼として消え去ります…まじか
ほかにもなんとなく主人公格っぽい登場人物は数名出てくるんですけど、どうにも不穏な感じで、物語を牽引していく様子はないのです

本を置くたび疑問がわくのです…
読み進めていくと、この世界がどんな様子なのかは詳しく述べられていきます
古い信仰(土着の神様とでもいうか、森=木に対する素朴で根深い恐れ)と、新しくもたらされた(キリスト教によく似た?)クリストゥス教の神を信じる人々
大きな街と、ひなびた村と、森の中にある塔
荒々しい貴族と、乱暴で素朴な平民
みたいな感じで、だんだん世界は明らかになっていくのですが、いったい誰が(真の)主人公なのかさっぱりわからない
いったいこの物語が目指す終着点はどこなの…?


で、読み終わってやっとわかったのですけど、この物語に主人公なんていないのです
仮の、この人の視点で、という主人公はいますが、「この人の物語である」といった意味での主人公はいません
(いやいるといえばいるんですけど…煮え切らない)

最近、もうずっとこういったタイプの物語は読んでいなかったのですっかり忘れていたんですが、この物語は「世界を描く」ことが主題の話だったのでした
だから、現実世界と同じく「どんなに重要人物風に見えても等しく切り捨てられていく人間」しか出てこないのです
登場人物に囚われていちいちイライラしたり、どうなるのこれ?収拾つくの?とか考えずに、物語世界の壮大さを鑑賞すべきでした
俯瞰の物語だったのね…

っても、これほんと通読しないとわかんないよ!
もうずっと読みながら「いったいいつメカイルは救われるのか」とか思ってたもの
いっかな救われそうもないので、読みながらかなりイライラしてたんですけど、じゃあこの本を読んで「損したわー!時間損したわー」と思ったかというと、そうは思ってないのです…
古い風習の残酷さと、クリストゥス教の教会の煌びやかさや秘術の謎めいた感じ、森の深さと街の猥雑さなんかが、ファンタジー部分と溶け合って唯一無二な世界が作り上げられていて、それに感嘆しているところです
すごいや…(語彙力)
でもこれ、多分学生の頃に読んでいたら途中で投げ出していたと思うので、出会った時期も(個人的に)よかったんだなーとも思います
『死の王』は評価した記憶が全くない…平たく言っておもしろかった記憶がぜんぜんないので…
(;´・ω・)<言っちゃった
今読むとまた感想違うのかな
しかし、本が見つからない…(売ったのかも)


とか、わりと長々書いてきましたが、1週間もかけて(しかも途中寝落ちとかしながら)読んだ本なので、ところどころ読み違えてるかも…!
こんな話じゃないわー!ひどい!!!と思われた方がいらっしゃいましたら、ごめんなさい

ていうか、タニス・リーは『銀色の恋人』のジェーンがかわいすぎるので、ぜひ読んでください
(*'▽`)<かわいい

銀色の恋人 (ハヤカワ文庫SF)

銀色の恋人 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: タニス リー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/04/01
  • メディア: 文庫





さて…今日の朝ごはんはどうしよう…
さすがにお雑煮は飽きたころだよね…
(自分はお雑煮が苦手なので食べてない)



今年も皆様にとって、良い年となりますように!


タグ:Ringo Books

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