Saturday January 28 2017 category:本
最近のこと
昨日の札幌は雨模様でした。
半端に暖かくなって雨が降ると、その後の道路状況は非常に劣悪となるので、雨は春になるまで降らないでほしい…(´・ω・`)
ブレーキかけても止まらないとかね、恐ろしいです。
最近の私は、ずーっと守り人/旅人シリーズを読んでいます。
(今、『神の守り人』を読み終えたところです)
新潮文庫版『神の守り人』の解説は児玉清さんで、こんなことを書かれていました。
確かに、守り人/旅人シリーズだけでなく、上橋菜穂子さんの作品は胸を打つ人間ドラマとして迫ってくるものばかりです。
なので、私は児玉さんの解説を解説を読みながら、そうだなあ…そうだよねぇ…と相槌を打っていたのです。
けれども、私はこの解説の中で児玉さんが苦手だと触れられた、いわゆる「SF物」や「ファンタジー物」も大好きなのです。
例えば、P・K・ディックのSFに出てくる人物やできごとはあまりリアリズムを感じるものではありません。
(まあ、SFですし…)
それでも私が好きなのは、(いや、物語自体がとんでもなくおもしろいというのもあるんですが)、登場人物の誰かにほんの少しでも共感するからなのです。
共感といったら、ちょっと違うかな…
ああ、こういう人物っているよね…と、納得できるからなのです。
児玉さんがディックをお好きだったかどうかは知らないし、別に知らなくていいんですが、ふと、「もし児玉さんがあまり好きではないと思っていらしたとしても、だからといってディックのファン(つまり私)にとって、それが自分の中の評価(あるいは好きか嫌いか)に影響するだろうか?と考えた時、ほとんど影響しないだろうな…」と思ったのです。
ある物語に胸が痛むほど、胸を焦がすほど、涙が止まらないほど、怒りで苦しいほど…などの影響を受けるのは、それを読んだのが『私』であるからなんだ…と、その時初めて思い至りました。
『これは真に迫っている』とか『人間が描かれている』とか、もっと単純に『すげーよ!!』とか『おもしろい!』とか…それは私が下した評価です。
幼いころからの生活環境や、親や家族、友達、今までに読んだ本、見てきた映画、見ず知らずの誰とも知らない人が書いたネット上の言葉や、テレビから流れてきた言葉、そういったもので構築されてきた『私』が下した評価なんだなあと、今、こんな年齢になってから気づきました。
だから、私が『おもしろくない』とか『上っ面ばっかりでなに言ってるのか…もう全然興味持てないし』などと思った物語だって、きっと別の体験をしてきた誰かにはなにがしかの衝撃をともなう物語なんだろうな…
近代に書かれた日本の小説って、正直、私にとってはなんにもおもしろくないのです。
(例外もありますが)
なんだってあれがおもしろいと思われて読み続けられているのか、まったく理解できなかったのです。
人間の普遍を描いた…とかいわれても、自分の中に、あるいは私から見た人間の中に、それを発見できなければ嘘くさくしか思えなかったのです。
母親によく「あんたはいい年して、まだ(少女)漫画なんて読んで…」と言われましたが、それは母が漫画の中に何かを発見できなかったからで、私としては少女漫画の中には(大げさに言えば)『人間』とか『社会』とかを見つけることがあるからですし、あるいはもっと単純に『キラキラした甘い嘘』がいっぱい詰まっているから好きなのです。
読みたいのです。
で、その『キラキラした甘い嘘』を構築するために、私が必要だと思うのは適度なリアリティーなんですけど、その「適度な」っていうのも人によって差があるんだ…というのが、今回児玉さんの解説を読んで、なんというかものすごく腑に落ちたのです。
(そもそもまったくリアリティーを求めない人もいるでしょうし)
本を読んだ人を分母として、これはおもしろいと思った人を分子とするなら、1に近づく物語ほど普遍性を持った物語なんだろうなあ…
でもだからといって、0に近い物語に感性を揺すぶられるのは間違っているのか?といえば、それも全然間違ってはいないんですよね…
物語を受け止めるのは、非常に個人的なことなんだ。
それを間違ってるとか、おかしいんじゃないの?というのは、だれにもできないんだ…
とまあ、そんなことをつらつら考えている今日でした。
おばさんになってからでも、いっぱい自分の不明を恥じねばならないことってありますね…
私だけかもしれませんが…というより、だけなんだろうけど(;´・ω・)トホホ
あぁ恥ずかしい…
もっといろんな見方をせねば、と思うことしきりです。
そんなどうでもいい私の恥の暴露とは全く関係なく、上橋菜穂子さんはおもしろいので(おそらくとても1に近い物語)、未読のかたは是非どうぞ。
半端に暖かくなって雨が降ると、その後の道路状況は非常に劣悪となるので、雨は春になるまで降らないでほしい…(´・ω・`)
ブレーキかけても止まらないとかね、恐ろしいです。
最近の私は、ずーっと守り人/旅人シリーズを読んでいます。
(今、『神の守り人』を読み終えたところです)
新潮文庫版『神の守り人』の解説は児玉清さんで、こんなことを書かれていました。
そして、この物語に登場する人物たちもまた全員が上橋さんの想像上の人物であるのだが、正しい心、汚れた心、邪な心、美しい心、優しい心、人を陥れる卑しい心、疾しい心、悪い心、人間の複雑な心の襞と綾を、そして葛藤をものの見事に浮き彫りにしてくれることで、架空の物語が凄じいまでの真実の人間ドラマとして読む者の心を穿つこととなる。
確かに、守り人/旅人シリーズだけでなく、上橋菜穂子さんの作品は胸を打つ人間ドラマとして迫ってくるものばかりです。
なので、私は児玉さんの解説を解説を読みながら、そうだなあ…そうだよねぇ…と相槌を打っていたのです。
けれども、私はこの解説の中で児玉さんが苦手だと触れられた、いわゆる「SF物」や「ファンタジー物」も大好きなのです。
例えば、P・K・ディックのSFに出てくる人物やできごとはあまりリアリズムを感じるものではありません。
(まあ、SFですし…)
それでも私が好きなのは、(いや、物語自体がとんでもなくおもしろいというのもあるんですが)、登場人物の誰かにほんの少しでも共感するからなのです。
共感といったら、ちょっと違うかな…
ああ、こういう人物っているよね…と、納得できるからなのです。
児玉さんがディックをお好きだったかどうかは知らないし、別に知らなくていいんですが、ふと、「もし児玉さんがあまり好きではないと思っていらしたとしても、だからといってディックのファン(つまり私)にとって、それが自分の中の評価(あるいは好きか嫌いか)に影響するだろうか?と考えた時、ほとんど影響しないだろうな…」と思ったのです。
ある物語に胸が痛むほど、胸を焦がすほど、涙が止まらないほど、怒りで苦しいほど…などの影響を受けるのは、それを読んだのが『私』であるからなんだ…と、その時初めて思い至りました。
『これは真に迫っている』とか『人間が描かれている』とか、もっと単純に『すげーよ!!』とか『おもしろい!』とか…それは私が下した評価です。
幼いころからの生活環境や、親や家族、友達、今までに読んだ本、見てきた映画、見ず知らずの誰とも知らない人が書いたネット上の言葉や、テレビから流れてきた言葉、そういったもので構築されてきた『私』が下した評価なんだなあと、今、こんな年齢になってから気づきました。
だから、私が『おもしろくない』とか『上っ面ばっかりでなに言ってるのか…もう全然興味持てないし』などと思った物語だって、きっと別の体験をしてきた誰かにはなにがしかの衝撃をともなう物語なんだろうな…
近代に書かれた日本の小説って、正直、私にとってはなんにもおもしろくないのです。
(例外もありますが)
なんだってあれがおもしろいと思われて読み続けられているのか、まったく理解できなかったのです。
人間の普遍を描いた…とかいわれても、自分の中に、あるいは私から見た人間の中に、それを発見できなければ嘘くさくしか思えなかったのです。
母親によく「あんたはいい年して、まだ(少女)漫画なんて読んで…」と言われましたが、それは母が漫画の中に何かを発見できなかったからで、私としては少女漫画の中には(大げさに言えば)『人間』とか『社会』とかを見つけることがあるからですし、あるいはもっと単純に『キラキラした甘い嘘』がいっぱい詰まっているから好きなのです。
読みたいのです。
で、その『キラキラした甘い嘘』を構築するために、私が必要だと思うのは適度なリアリティーなんですけど、その「適度な」っていうのも人によって差があるんだ…というのが、今回児玉さんの解説を読んで、なんというかものすごく腑に落ちたのです。
(そもそもまったくリアリティーを求めない人もいるでしょうし)
本を読んだ人を分母として、これはおもしろいと思った人を分子とするなら、1に近づく物語ほど普遍性を持った物語なんだろうなあ…
でもだからといって、0に近い物語に感性を揺すぶられるのは間違っているのか?といえば、それも全然間違ってはいないんですよね…
物語を受け止めるのは、非常に個人的なことなんだ。
それを間違ってるとか、おかしいんじゃないの?というのは、だれにもできないんだ…
とまあ、そんなことをつらつら考えている今日でした。
おばさんになってからでも、いっぱい自分の不明を恥じねばならないことってありますね…
私だけかもしれませんが…というより、だけなんだろうけど(;´・ω・)トホホ
あぁ恥ずかしい…
もっといろんな見方をせねば、と思うことしきりです。
そんなどうでもいい私の恥の暴露とは全く関係なく、上橋菜穂子さんはおもしろいので(おそらくとても1に近い物語)、未読のかたは是非どうぞ。
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